the wonder stuff.jp もっと、もっと、もっと ワンダー・スタッフ

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だから、"いつでも途中の旅日記"

a freewriting diary by spurts

再結成するって本当ですか?

再結成が明らかになったのは、7/14。前々からうわさにはなっていたが、まさか実現するなんて!実は、1度もライブで見たことはなかった。いつか、マイルスのソロライブでも見ることができたらいいなぐらいに思っていた。
94年に解散したバンド・・・はっきり言ってしまえば、過去のバンドである。もはやその存在-the wonder stuff-は、ケースにならんだCDやビデオや古い雑誌の中にしかない。しかし再結成のニュースは私の中の大切な過去のバンドをものすごいスピードで"今"の存在に変えた。

はじめての渡英

渡英したのは、12/13-12/18の4泊6日。チケットはネットで14,15,16日の分を取った。はじめは14と15だけだったが最終日を見ないでは絶対に後悔すると思って16日も購入。だって、次にまた見られるなんて保証はどこにもないのだから・・・。
最初は、イギリスに行かないまでも記念に、と思ってチケットの申込ボタンをsubmitしたのだが、申し込んでみると、やっぱり心はForumに向けてうずき始めた。そしてついに期限切れのパスポートも申請し直し、自由行動のパックツアーに申し込んだのだった。ホテルは指定しないプランだったのでどこに私は滞在するのやらと思っていたが、届いたしおりを見ると場所は"KingsCross"。KingsCrossぅ?一体どこよー?と地図を見ると、これが意外にKentishに近いロンドン北東部。それだけでもう感激してしまった。

13日

13日の12:00に日本を発って、その日の14:00にイギリスに着くなんて、なんてスバラシイんでしょう!・・・。おまぬけな事に、出発前にひどいかぜをひいてしまいフライト中ずっとげほげごいっていた。しかしVirgin Atlanticだったため、座席の画面でMatrixを見たり、TVゲームにハマったりしてほとんど眠ることはなかった。
もうすぐヒースローに到着のアナウンス。座席の窓から陸地を見下ろすと、見たことのない風景が広がっていた。青々とした緑色の大地と一面に直線状の造形物。それはStreetによって形作られた街並み。
空港から送迎付きというプランだった。ロビーでやっとのことで現地の運転手さんに会い、車窓からすでに暗くなった街を眺める。あまりに咳き込むので送迎の運転車さんも心配してくれた。通りには華やかなイルミネーションが輝いていた。クリスマスシーズン。ワンダースタッフの再結成は、あまりに素敵すぎるこの上ないクリスマスプレゼントだ。
ホテルに無事着いたものの、はっきり言っても自分がどこにいるかさっぱり分からない状態。早速頼りにしていたロンドン在住のTさんに電話してみる。Tさんは親切にもわざわざ私のところへ来てくれて、そのまま夜の街へ。その方のKentishに行ってみる?という素晴らしい提案で、思いがけなく到着後すぐにKentishに向かったのだった。

地下鉄を降りて降り立ったKentish Town・・・はじめて見るForumは予想以上に大きく映った。あぁ、こんなにも近くに、そこに、The Wonder Stuffがいるなんて、信じられない!
もう、Kentishにいるだけで、幸せだった。これで目的の90%は達成した、そんな感じだった。Nandosという所で夕食を食べていると、せっかくだからライブを見ようということになった。またまた信じられない!!その次の日に見る予定だったので心の準備ができてないよぉ〜、でもでも、この機会を逃してなんかいられない!実際のThe Wonder Stuffのライブは21:00からで、もう時間は21:30ぐらいだったからダフ屋で何とか交渉しつつ定価でチケットを購入!

歩く足も早まり扉の中に入ると、聞こえてきたのは、そう、紛れもないThe Wonder Stuffだった。
色あざやかで柔らかなグリーンやピンクの照明の中に、彼らはいた。夢じゃない、だけど夢以上にひどく幻想的。
セットの後にはEight Legged Groove Machine のジャケットのイラスト、だが絵の中の人影は今や1人増えて5人になっていた。10本足のグルーブマシーン。
見るだけで-この現実を真正面に捉えるだけで-精一杯だった。

(13日のセットリスト)

6年のブランクなんてまるで感じさせない堂々として力強くてハッピーなステージ。何よりメンバーがとても楽しそうで生き生きとしていた。今回からベースになったStuart君の姿もあった。キーボードのPeterももちろん参加だ。
帰りにグッズとかブートなTシャツとかを買った。日本出発前、外は寒いし中は暑いだろうしで何を着ていくべきか悩んでいたが答えは簡単だった。"会場で買えばいい!"
ミネラル・ウォーターを2本買って、さあ帰ろうと電車に乗り乗り換えのユーストン駅に着くとKingsCross行きの電車はなかった・・・というか、本当はまだ走っている時間なのにもう終わっていた。この辺がイギリスのなんだかよく分からないところなのだが、とりあえずバスに乗った。おー、これがロンドンバス!さすが2階建てだよ〜と感動しつつ早速2階へ登る。でもロンドン走ってりゃ全部ロンドンバスらしい。Blurのベスト盤のデザインのバスも走っていた。
分からなくなるので駅前で降りた。今思えば"駅からまっすぐ行ってちょっと曲がって進むという迷うはずもない簡単なルート"なのになぜか毎晩迷子になってしまった。深夜12時とか1時に1人で歩くのはさすがに怖くて孤独だったが、道を尋ね付近をさまよい、とりあえずホテルに到着。あー、なんて室内は暖かいのだろう。結局道を覚えたのは最後の晩だった・・・。
その日はずーーっとそこにあるのに、つかめないような、そんな不思議なふわふわした気持ちだった。興奮とフライトで身も心も疲れて・・・いや、意識は変に覚醒している・・・バスタブに浸かったまま、1-2時間は寝てしまった。それが風邪を悪化させたのは言うまでもない・・・。

14日

この日の午後は、ネットでお世話になっているWembleyさんと会う予定。朝にはTさんからお部屋にお電話いただいてびっくり。時間があるので地図を広げて見ると、大英博物館が近い、と地図は言っていた。それならば・・・と歩き出したのだが途中で、厚底靴のかかとが折れてしまったのだ。微妙に足をひきずりながら、どーしようかなぁ靴屋あったら靴買うかぁと大英博物館へ前進していると見知らぬ男性が、"近くに靴の修理屋があるよ"と声をかけてくれた。おー、紳士の国だよーと感動しつつ、たどり着いた Key&ShoeRepearShop。修理を頼むと、できないよミラクルだうんぬんかんぬん、と断れながらも、表の看板にShoeRepearって書いてあるじゃーんっとひきさがるつもりはない。だってかかとを引きずりながら冬のロンドンの街を独りさまようなんて悲しすぎる。しぶしぶ応じてくれ、今できるだけのことはしたからと、かかとのくっついた靴を返してもらい、万が一のために接着剤も購入。それでも、思いっきり意気消沈した私は"やっぱり1人で行動しちゃいけなかったんだ・・・とほほ"とホテルへとんぼ返りした。

そしてロンドンでもとーーってもお世話になることになる渡英経験豊富なWembleyさんに会うことができた。Wembleyさんは右も左も分からない私をいろいろと案内してくれて、おかげで1人では見られなかっただろうロンドンをいろいろと体験することができた。Wembleyさんのオススメでコベント・ガーデン( not コベントリー!(笑))へ行って靴を買い、そのままそれに履き替えた。足もとの不安もなくなり、足取りも気持ちも軽い。街を見て回ったり食事などし、6時にForumへ。そこではtさんにも会うことができた。会場前には私達意外だれもいない。ちょこちょこと列の人数が増え出すと、会場の前をFiddleyが!すっかり街並みに溶け込んですたすたどこかへ歩いてゆくMartin。おー、すげー!とびっくりしつつ開場を待った。なぜかMartinを毎日ほぼ同じ時間に目撃することになる。開場前にBig Yoga MuffinのサンプルCDが配られた。

会場に入って、グッズ販売ブースの辺りでうろうろしていると、わ!うそ!マイルス!
マイルスがGIGRecordsのブースで立ち話をしているではないか。わーわー、どうしよう、どうしよう、すぐそばにいる!Dudleyにも行っていたtさんやWembleyさんはマイルスに声をかけたが、私はただ呆然と遠くからその様子を眺めているだけだった。あー楽しそうだぁ、私なんかとても近づけないよぉと様子を見ていたら、お2人のご紹介に預かり予想もしなかったシチュエーションでマイルスとの初対面!マイルスの笑顔といったら、もう最高で、"Oh Yeh, Lovely animation!"なんて言葉をいただいて(というか、その時は舞い上がってて何言われたかわかんなかったけど)私は思いっきり両手でマイルスの手を握り締めたのだった。あー、生きててよかったよぉ、ロンドンに来てよかったよぉ!マイルスの満面の笑は私に勇気と希望を与えてくれた。別れ際にふとマイルスがかけてくれた言葉"see you later."それはライブのことだと思っていたが・・・。
前座は元we know where you liveというか元EATのAnge DoolittleのバンドBig Yoga Muffinで、見るのを楽しみにしていたバンドだ。Angeのパフォーマンスはさすがに魅せられるものがあり、前座の中ではいちばん盛り上がっていたように思える。バンドの写真を撮っていた客のカメラを取り上げ、Ange自ら撮影して返していた。

(14日のセットリスト)

この日ははじめて最前列で見ることができた。しかーーし!前座のときは余裕で見られていたのに本命のThe Wonder Stuffがでてくると、もう大変!!横から後からどんどん人が押してきて、もう死んじゃうかと思った。何せ英国人、体格が違う。人の圧力と、若干のエゴと、腰よりやや高めの鉄格子にはさまれ、まざまざと体格の違いとパワーを"まさに"死ぬ思いで実感していた。おー、私はここで死ぬのかー、でもそれによってバンドに迷惑がかかるのはいやだーと、あまりの苦しさにライブ自体は楽しめなかった、というのが本音。DizzyでVic Reevesが出て来てもステージなんてまともに直視できない。押し合いへし合いして汗水垂らして、会場一体となって楽しさを共有するのがライブの醍醐味なのかもしれないけど、それを満喫するには私の体格は小さすぎた・・・。警備員のお兄さん達も、気をつかってくれていた様だ。次回からもずっと最前列だったが、Mission DriveやCauget In My ShadowやOn The Ropesの時は、うわー来るよ来るよと恐れを抱いたのも事実。Sleep AloneやRoom 512はゆったりめでややホっとできる時間であった。いずれの曲も皆で大合唱だった。

ライブ終了後、余韻覚めやらぬ会場で佇んでいると、後で知ることになるGIGRecordsの"おひげ"のIndianさんが私達を探していたらしく、緑色の布製っぽいシールをくれた。何を言っているのかよくわからなかったが、何かこれはグレートな事に違いないと感じた。なんとそれはバックステージパスだった。わけのわからないまま2階へと進むと、ミニバーのようになっていて、同じ様に招待されたたくさんの人々の中にメンバーを発見。握手してもらったり夢のようなひとときだった。
ホテルへ戻ってお風呂でまた寝ようと思って服を脱いで愕然、あざだらけ!特に鉄格子に体があたっていた部分。うれしいよなBruises・・・・。

15日

この日もまたWembleyさんとご一緒。その前にちょっと腹ごしらえと、目にとまった近くのインド料理屋でマトンカレーを注文。店員さんは店内にクリスマスのデコレーションをしている。出てきたカレーは、始めて食べる食感だった。長粒米というのだろうか、ビーフンを1cmぐらいに切った感じのカラフルなお米で、そのまま食べるとパサパサしてマズい。だけど、カレーと食べるとすごく美味しかった。
さて、Wembleyさんと合流すると、イギリスに行ったらぜひ欲しいなぁと思っていたマイルスがNLEの頃に着ていたフリフリチェックの服を求めケンジントンへ。途中、ノッティグヒル・ゲイトのユーズドレコード店に立ち寄る。ラストコンサートのビデオを探したがなく、安〜かった(50ペンスとか!)シングルLPをあるったけ購入。
着いたケンジントンは店の並び何年かの間で相当変わっていたらしく、それっぽいお店は皆無だった。それでも風情のある建物を見たりするのは楽しかった。カメラを持っていたので見てみると電池切れで、出発前にチェックしろよーってなもんですが、しないのが私で、ケンジントンの電気屋で乾電池探し。・・・ない。ちょっと太目の丸い小さい電池で、やっと一軒の店で発見・・・高い。しかし購入、ピザハットでWembleyさんをパシャる(笑)。会場ではAyumiさんと会うことができた。
前座のJIMBOB'S SUPER STEREO WORLDはCurter U.S.M.の人が表で弾くのだ思っていたら、舞台袖の卓で何かしているので、会場からCom'on Jimmy!という呼び声が何度もかかっていた。ちなみにベースの人は、PJ&Dunkanの人にすごく似ていた。派手なアフロのカツラかぶった人がコーラスで出て来たり、ちょっと80年代っぽいシンセなサウンドだったり、ロックだったり。2人のキーボーディストがステージ後方でおとなしくこじんまりと座って弾いていて、曲によっては席を入れ替えたりするので、tさんが"ヤマハ音楽教室みたい"と言っていた。

(15日のセットリスト)

この日はWembleyさんのはからいでバックステージへ行くことができた。ここに出てくる"バックステージ"とはいわゆる楽屋ではなく、ちょっとしたミニバーを囲んでの、わきあいあいとした集いの場というか社交場というかラウンジというか、そんな場所でした。ここでは、例のPJ&Dunkanに似た人もいたり、後で知ったのだが、Ned's Atomic Dustbinのメンバーも来ていたらしい。Stuart君はご両親がごいっしょで、ちょっとカワイイと思った。

16日


朝食が来ない・・・。部屋の表のドアノブにオーダーシートを夜の2:30までにかけていれば回収されて指定の時間にルームサービスが届く仕組みになっていた。来ない・・・来ない・・・そのうち朝食の時間が終わってしまった。仕方ないので"朝食来ないんですけどー"と電話したら、"オーダーシートをかけていなかったのでは"とか、多分そういうことを言われたので"昨日の2時前にはかけておいたんですー"と訴えると、時間が過ぎているのにもかかわらず、レストランの一角で朝食を食べることができた。レストランではポツネンとして寂しかったが言ってみるもんだと思った。
所持金がそろそろ寂しくなってきたので、インターナショナル・クレジット・カードでお金をおろそうとしたら、なぜかおろせなかった。番号が間違っていたのかなぁ?今でもよく分からないが、何回も違った番号をいれるとカードが使えなくなる恐れがあったのであきらめ、何かのためにと持っていた日本円をマネー・エクスチェンジで交換した。
KingsCrossの郵便局件雑貨屋みたいなところでフラフラしていると、別の所で待ち合わせしていたのにWembleyさんとここで遭遇。Wembleyさんはかぜで体調をくずしていたのに、お買い物指南してもらったりForumの1階と2階を交換してもらったりと、本当にお世話になりっぱなしだった。この場を借りてお礼申しあげます。
その売店で売っていたベタなロンドングッズを見ていたら、オックスフォード・ストリートにたくさんある、というので向かった。まー、あるわあるわベタな土産物店。次の日は帰国だしと、ベタ〜なデサインの紅茶セットと、かわいくつくってあるがそこがかえってこわいロンドン人形みたいのとくまのぬぐるみを買う。また、有名なチョコレート専門店など見る。会場では最初にお世話になったイギリス在住のTさんやYさんに出会えた。
前座のSERPICOはMEGA CITY FOURのWizの新しいバンドで、ベースの人が体つき含めゴツいのにもかかわらず、演奏中写真を撮られるときおちゃめにポース取ってあげていたのを覚えている。ふと今気付いたが、なぜ前座の話題になるとベースばかり記憶しているかと言うと、私のいた場所がいつも中央より左側だったからだ。左側だと、ドラムのマーティンがよく見えますね、tさん(^^)

(16日のセットリスト)

ライブの最終日。ひとつひとつが見納めだから、瞬間瞬間をかみしめた。本当にthe wonder stuffもこれが最後なのだろうか、こんなに熱いステージなのに。アンコール・・・終わりが近づくのが惜しい。メガホンを手にしたマイルス。Good-Bye So long、メガホンは別れの合図。段々とステージを後にするメンバー。今やGood Night Though をプレイするのはステージ前方に残されたマイルスのメガホンのサイレンだけだ。最後はメンバー全員舞台に出てきてあいさつ。和やかなラストシーンだった。この日はStuart君のセットリストも争奪できてラッキー。マジックで書かれた手書きの曲コードが初々しい。
ライブ終了後the wonder stuff pageのCurtisさんにお会いできて、とってもうれしかった。Brumメーリングリストの人々にも会うことができて、この再結成の喜びを分かち合えたような気分だった。コート預けチケットを無くしてしまったが、係りの人が私のを覚えていてくれていて、事無きを得る。GIGRecordsのブースにはポスターぐらいの大きさの寄せ書き用の白紙があって、いろんなメッセージがあった。何か日本語で書いてと頼まれたので、うにゃうにゃ書いておいた。あれは一体どうなったのだろう。

無け無しのお金で本と色違いのブートなTシャツを再び買った。5ポンドは普通の服より安い。外ではaさんにも会うことができた。そうしていると、なんだかよく分からないうちにまたバックステージへ行くことになった。だけど今回はちょっと様子が違う。何やら人々が物を運んだりして準備をしている。パスを持っていない私達はIndianさんの後ろに付いて会場へ入った。びっくり。先程とは一変、天上には何メートルあるのだろうかという白い多面体の巨大な星のオブジェ、そして大音量のダンザブルなBGM。1階はダンスフロアーのようになっていて、2階では皆思い思いの場所でテーブルを囲んだりしてわいわい談笑している。それは打ち上げパーティーだった。人込みの中に見つけたマイルスも終始笑顔でお喋りしている。他のメンバーもリラックスした雰囲気の中でそれぞれの場所で会話していた。
これが本当に最後の最後だからと、私は思いきってマイルスに話しかけた。"マイルス、これが最後のライブなの?" "そうだよ。" "本当ぉにぃ???" "Some Day"
Some Day ・・・!!!
このSome Dayと言った時の、マイルスの思わしげでキュートで悪戯っこのような眼差しを、私は忘れることができない。あの目は"何か企んでます"といっている目だった、少なくとも私にはそう見えた。またいつかやってよーぉ、と私はだだっこのようにマイルスの腕をぶんぶんゆすった。マルクにも質問。"またステージには戻ってきてくれるの?" "maybe" "それはワンダースタッフで?それとも他のバンドで?" "maybe" なんだかmaybeしか答えを得られなかったが、まんざらでもない様子だった。それとも私の言葉が通じていなかったのかも・・・(^^;)
しばらくして会場を後にした。まだ旅行を続けるWembleyさんやAyumiさんとはここでお別れとなった。

17日

いよいよ出発の朝。寝坊しちゃ大変だと、朝食のルームサービスのノックがモーニングコール替わりだ。出発前に買って軽かった銀のスーツケースも、今は荷物でいっぱい。壊れた靴は入りきれず捨ててしまった。送迎の車に乗り込み、車窓から流れゆくロンドンの街並みを眺める。あぁ、これでまた平凡な日常生活に逆戻りしてしまう・・・。1人感慨に耽るのであった。
空港へ到着し、長〜いCueの最後尾に着くと、偶然にもaさんも同じ便だった。カウンターまでひたすらcueしていると、だれかが呼んでいる?こちら側へ向けて何かアピールしている女の人がいた。え?私に?よーーく見るとTさんだった。Tさんも私と同じ便だったのだ。Tさんはどこかの国のアメフトか何かの選手団もいる中をショートカットして私のところまで来てくれた。手続を済ますと、免税店などでいろいろと物色。私が赤い毛糸の帽子を衝動買いしたり、tさんが目的の物を買い求めたりしているうちに、時間も差し迫り小走りで出発ゲートへ。飛行機に乗りこむと、先日のダイブ多発のライブのはずみに手を痛めたというtさんの患部の色が見た目にも痛々しく、冷やしたり温めたりしていた。私も咳が止まらないので、TさんがドリスタンみたいなLemsipという本国では有名なレモン味の黄色い飲み物の素である風邪薬をくれて、さっそく作って飲んだ。それは甘くて温かくて、飲むとすぐに咳はおさまり暫くの間は安静にできた。フライト中は座席が隣りのTさんからいろいろとthe wonder stuffの話を聞くことができておもしろかった。機内食では限定品のターキーを食べることができてちょっとクリスマス気分。フライトも残りわずかというところで見えてきた窓の外のユーラシア大陸の寂寞とした薄茶色い大地は、まるで他の惑星の上を飛んでいるような気分にさせた。

18日

本当は、フライト中どこかで18日になっていたのだろうが、細かいことは分からないので放っておく。
日本に帰り付くものの、まだまだ咳は止まらない。Tさんとの別れの際にお母様よりヴィックス・ヴェポラップをいただき、初めてそれがメキシコ産だということを知った。
フライトの疲れか、風邪のせいか、ライブの興奮がまだ冷めていないのか、帰りのバスの中では頭はふがふがぼんやりして、体は眠っていた感じ。帰ってすぐにでも眠りたかったが、乗り換えの駅で一旦降りロッカーにスーツケースを預けた。まだやるべきことがあった。それは、風邪薬を買うことだった。今まで自然治癒でなーんとなく治してきたのに、Lemsipの威力で薬はやっぱりすごいと思い知らされたのだった。
でもやり残した事は本当はもうひとつある。それは7年ぶりのニューアルバムLove Bites&Bruises を手に入れることだった。ロンドンで買うチャンスはあったのに、日本で買った方が安そうだと思ってその時は買わなかったのだ。ここまできてこのセコい根性はなんだろう。訪れたHMVには結構たくさん置いてあり、さっきまでライブ見て来たヨとひとり満足気にレジへ向かうのだった。Love Bites&Bruises も無事手に入れたということで、ひとまずこの記念すべきthe wpnder stuff再結成ライブ・ロンドンへの旅の締め括りとしよう。

最後に。

強く思うのは、もし私がこのページをやってなかったら 1人で行くまで踏みきれなかっただろうということだ、 そして、ページに訪れてくれる人々の存在があったのも 私を渡英へと勇気付けてくれた。 人々に心から感謝します。
LAST_MODIFIED : July 11 2007 JST